正8面体の中の蛇(3)

今回の記事を書くきっかけとなった鳥居竜三さんの論文(早稲田大学教育学部 「学術研究」 数学編
第57号)の内容を少し紹介したいと思います。
前回、正8面体そのものではなく、その頂点と辺のつながり具合を示す「グラフ」で考えました。
グラフを路線図に見立て、その上のn個の辺がつながった「列車」を動かすことを考えるのでした。
「列車」は常に、同じ頂点を2度通らない(先頭と最後尾も同じ頂点とならない)ものでなくては
なりません。(そのようなn個の辺のつながりを「長さnの道」といいます。)また、列車には前後が
あり、列車は前にしか進めません。
090522_train.png


あるグラフにおいて、長さnの「列車」をどこに配置して始めても、別に指定された任意の「列車」の
状態にかならず移動できるとき、このグラフは「n両列車移動可能」といいます。
また、あるグラフにおいて、長さnの「列車」をどこに配置しても、その列車の位置は同じで
向きだけを逆にした状態に移動することができるとき、このグラフは「n両列車裏返し可能」と
いいます。
「n両列車移動可能」な際、始状態と終状態は好きに指定できますから、特別な場合として
このときは当然「n両列車裏返し可能」になります。
私が読んだ論文の主定理は以下のようなものでした。

定理:グラフが「n両列車裏返し可能」ならば、「n両列車移動可能である。」

証明は例えばこちらの論文にも載っています。
さて、では正8面体は4両列車移動可能なのでしょうか?
(ちなみに5両だと「動けない列車」が構成できるので不可です)
鳥居さんの結果から、正8面体上のすべての長さ4の「列車」が裏返し可能ならば、
移動可能ということになります。
正8面体の対称性を考慮すると、正8面体の枠の上の「列車」の裏返し可能性は
つぎの4通りの裏返し可能性を考察すればよいことになります。
090522_a.png
090522_b.png
090522_c.png
090522_d.png
前回までで提示した問題として取り上げたのは、一番上のAとA’の間の裏返し可能性でした。

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